電気用品安全法 (PSE) てなに!? 販売中のその製品、実はPSEの規制対象ではありませんか?
コンセントから電源を取る電気製品を日本国内で販売するときに必ず守らなくてはならない法令が「電気用品安全法」です。
- 自分は輸入しているだけで製造メーカーではないから関係なし!
- 輸入している製品はACアダプタから電源を取るので法令の規制対象外!
- 特定電気用品以外の電気用品なら自主検査だから申請出しておけば良いのでしょ!
と思ったそこのあなた、
すべて間違っています!
このページでは輸入事業者が守らなくてはならない電気用品安全法の基礎知識について解説します。
関係ないと思っていた輸入事業者の方も自社の製品が電気用品安全法の規制対象になっていないか、一度しっかり確認しておきましょう。
電気用品安全法 (PSE) てなに?
ものすごくシンプル言うと、電気用品安全法とは以下のような法令です。
対象となる製品は?
コンセントが付いているほぼ全て(※)の電気製品が対象です。
※ 一部の電気製品でコンセントが付いていても対象とならないものがあります。
何をしなければならないの?
電気用品安全法の対象となる電気製品を販売する輸入事業者は、その製品に対して以下の内容を実行しなければなりません。
- 製品が電気用品安全法で決められた技術基準に従っている事を確認しその証拠を残す
- 全製品に対して出荷検査を行いその証拠を残す
- 電気用品安全法で定められた手順で申請を行い、製品にPSEマークを表示する
誰が守らなければいけないの?
電気製品が日本製の場合は製造している製造事業者、
電気製品が海外製の場合は輸入している輸入事業者です。
ここ重要なのでもう一度言いますね、
対象製品が海外製の場合は
輸入事業者に電気用品安全法法令遵守の義務が課されています。
いきなり罰則のはなし
電気用品安全法に違反した場合の罰則はとても厳しいです。
- 一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金
- 法人の場合、一億円以下の罰金
参考: 電気用品安全法第七章 罰則
とはいえ再三の是正勧告を無視したなど余程悪質な場合でないと罰金や懲役となる事は少ないと思います。
それよりも輸入事業者にとって一番怖いのは
販売停止命令と製品回収命令。
苦労して探してきた製品を販売できなくなるだけでなく、製品回収となると莫大な費用がかかります。
経済産業省は定期的に市場の製品を抜き打ちで検査する試買テストを行っており、そこで違反が見つかると即販売停止指導が行われます。
また消費者からの通報で違反を指摘される場合もあり、販売停止指導を受けるケースは決して少なくありません。
電気用品安全法をナメてかかると痛い目にあう可能性が少なからずあるという事です。
電気用品安全法の対象となる電気製品について
2016年5月現在、457品目の電気用品が電気用品安全法の規制対象として決められています。
内訳は以下のとおりです。
特定電気用品 | 116品目 |
---|---|
特定電気用品以外の電気用品 | 341品目 |
具体的にどんな電気製品が電気用品安全法に規制対象として記載されているかを見てみましょう。
ACアダプター
一般的な電気製品名 | ACアダプター |
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電気用品安全法での電気用品名 | 直流電源装置 |
表示が必要なPSEマーク |
プロジェクター
一般的な電気製品名 | プロジェクター |
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電気用品安全法での電気用品名 | テレビジョン受信機 |
表示が必要なPSEマーク |
ウォシュレット
一般的な電気製品名 | ウォシュレット |
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電気用品安全法での電気用品名 | 自動洗浄乾燥式便器 |
表示が必要なPSEマーク |
掃除機
一般的な電気製品名 | 掃除機 |
---|---|
電気用品安全法での電気用品名 | 電気掃除機 |
表示が必要なPSEマーク |
「電気製品名」と「電気用品名」という2種類の言葉が出てきたのにお気づきでしょうか。
また表示が必要なPSEマークも菱型と丸型の2種類があることに気が付かれたと思います。
次のセクション以降これらについて詳しく解説します。
電気用品とは
電気用品安全法では法令の規制対象となる電気製品の事を「電気用品」と呼んでいます。
その種類は前述のとおり全部で457種類。
この前のセクションでいくつかあげた電気製品の例を見るとわかるように、
電気用品名と一般的な電気製品名は必ずしも一致しない
事に注意してください。
例えば私達も良く使う“ACアダプター”、電気用品安全法における電気用品名は「直流電源装置」です。
“ウォシュレット、シャワートイレ”の電気用品名は「自動洗浄乾燥式便器」です。
全然違いますね。
ですから、輸入する電気製品と同じ名前の電気用品名が見つからないからといって即規制対象外ということにはなりません。
輸入する電気製品が電気用品安全法で言うところのどの電気用品になるか慎重に判断する必要があります。
自分で判断できない場合は技術コンサルタントや経済産業省に問い合わせるようにしましょう。
菱型PSEマークと丸型PSEマーク
電気製品の種類によって表示する必要があるPSEマークの形が違います。
特定電気用品に該当する電気製品には菱型のPSEマーク、特定電気用品以外の電気用品に該当する電気製品には丸型のPSEマークを表示する必要があります。
特定電気用品 | 特定電気用品以外の電気用品 |
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まとめ
最後に、このページで解説した輸入事業者が知っておくべき電気用品安全法の基礎知識のまとめです。
あなたのその製品、電気用品安全法の規制対象になっていませんか?
- コンセントが付いていたらひとまず電気用品安全法の対象製品だと考えよう。
- 電気製品が海外製の場合、輸入事業者が電気用品安全法を守る必要がある。
- 一般的な電気製品名と電気用品安全法で決められている電気用品名は必ずも一致しない。
- 電気用品は「特定電気用品」と「特定電気用品以外の電気用品」に別れており、それぞれ菱型PSEマークと丸型PSEマークを表示する必要がある。