自主検査てなに? 特定電気用品以外の電気用品の方が難しいその実情

電気用品安全法8条第2項で輸入事業者に義務付けられている自主検査、その内容について正しく理解しているでしょうか。

適合性検査 (技術基準適合義務) と同じものと思われている方もいますが、それは間違い。

自主検査と適合性検査は全く別のものです。

 

また自主検査と言われている事から任意の検査と思われがちですが、それも間違い。

 

自主検査は全ての輸入事業者に義務付けられている法定検査

 

です。

 

誤解が多いのでついでに言っておきますが、

 

特定電気用品と特定電気用品以外の電気用品

どちらの場合も自主検査を行わなければなりません

 

輸入事業者は自主検査の記録を3年間保管する必要があります。

 

自主検査てなに?特定電気用品以外の電気用品の方が難しいその実情
 

特定電気用品の場合はサプライヤーから自主検査記録を入手しよう

特定電気用品に対して義務付けらている自主検査は以下の3種類です。

 

  1. 製造工程において行う検査
  2. 完成品について行う検査
  3. 試料について行う検査

 

適合性検査の際に登録検査機関がサプライヤーとその工場がこれらの検査を行う能力とそのプロセスについて検査の上、適合証明書を発行しています。

特定電気用品を輸入する際は、サプライヤーがこれらの検査記録を提出できることを確認するようにしましょう。

 

じつは難しい特定電気用品以外の電気用品の自主検査

一方、特定電気用品以外の電気用品に義務付けられている自主検査は以下の1項目のみです。

 

  • 完成品について行う検査

 

「ずいぶん楽じゃん!」と思われたかもしれませんが、ところがどっこい

 

そう簡単ではないんです。

 

特定電気用品以外の電気用品に対して決められている自主検査の検査項目は次の通りなのですが、

 

電気用品名 検査項目 検査対象
外観 絶縁耐力 通電 出力電圧
  • 電線管及びその付属品並びにケーブル配線用スイッチボックス
  • ヒューズ
  • 白熱電球
  • 蛍光ランプ並びに装飾用電灯器具
全数
  • ベルトコンベア
  • 理髪いす
全数
  • リチウムイオン蓄電池
全数
  • 上記以外の施行令別表第二に掲げる電気用品
全数

 

これ、みなさん自社でできます?

「絶縁耐力試験」とか意味わかります?

 

輸入事業者が自社で自主検査を行えない場合はサプライヤに依頼する必要がありますが、特定電気用品以外の電気用品の場合サプライヤは技術基準の適合性のみを確認すれば良く、自主検査の環境や項目については気にしていないのが普通です。

おそらく自主検査が義務付けられている事すら知らないサプライヤがほとんどでしょう。

 

そのようなサプライヤに対して、

 

電気用品安全法で義務付けられている自主検査を

やってもらえるようお願いする

 

ところから始めなくてはならないのが、特定電気用品以外の電気用品の輸入なんです。

 

まとめ

  • 特定電気用品を輸入する場合は、自主検査記録をサプライヤから取り寄せよう
  • 特定電気用品以外の電気用品を輸入する場合は、定められた検査項目がサプライヤの出荷テストに全て含まれているか確認しよう